暮れゆきの街



紺透明に沈みゆく街は静かに
海の底をも思わせる

深く青き黄昏に
溶けゆきそうなその人の
髪も瞳もひといろに

染まりし影の色も淡く
手にとるほどに近しき声音
舞い散るように耳を打つ

──いっそあなたを抱きしめたまま
この紺色の風景に同化してしまおうか──

胸の奥までしみいるような
さいなむまでのいとしさも
息をひそめた眼差しも
全ては流砂の流れるように
愛しているとくり返す
誰より深くと身を斬るほどに
せつなき想いでくり返す

いっそあなたを抱きしめたまま
この紺色の風景に
…同化できるものならば
何を捨ててもこの両腕を
あなた一人のそれだけに
あなた一人のただそれだけに…


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